「女子の貞操観念が全くないのは平安時代も現代も同じ。女って抑圧されてるような顔してるけど、実はそうじゃないかもしれない」と語る橋本氏元々、日本人には性的タブーがなくて、その代わりにモラルがあったーーと言われても、戸惑ってしまう人がほとんどかもしれない。 だが、西欧から“性的なもの= 猥褻(わいせつ)”という考え方がもたらされたのは明治時代で、それ以前の日本人には「性」のタブーもなければ「変態性欲」といった概念もなかったのだという。 そんな「日本人の性」の世界を古事記や万葉集、源氏物語、歌舞伎に浄瑠璃、浮世絵…と、伝統文化に描かれた「性表現」を縦横無尽に行き来しながら、鮮やかに描き出したのが『性のタブーのない日本』の著者、橋本治氏。 *** ―それにしても、平安時代は「目が合うこと」と「セックスすること」がほぼ同義だったとか、今でいう不倫やBLが『源氏物語』の中にも普通に描かれていたとか、明
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