文書改ざん問題で財務省職員らを処分しながら、自身の進退は「考えていない」と公言する麻生太郎財務相に、海外メディアの厳しい視線が注がれている。問題発言を繰り返しつつ政府の要職にとどまっていることが奇異に映り、日本在住の外国人ジャーナリストからは「彼は前世紀の政治家のようだ」とあきれ声が漏れる。 (池田悌一) 「麻生氏は文書改ざんが組織的ではなく、いくつかの悪いリンゴによるものだと矮小(わいしょう)化した。彼の説明は信じ難い」と話すのは、永田町を二十年近くウオッチしている英経済誌「エコノミスト」東京支局のデイビッド・マックニール記者(52)。「数々の問題発言は『失言』とされているが、彼の本質の現れとみている。彼の人権感覚は十九世紀とまでは言わないが、二十世紀の政治家のようだ」