辞任会見する鉢呂経産相。よほど無念なのだろうか。表情はうつろだった。(10日夜、経産省記者会見室。写真:筆者撮影) 「藪の中」とはこのことである。鉢呂吉雄経産相を辞任に追い込んだ「放射能すりつけてやる発言」。10日夕の緊急記者会見で鉢呂氏は「そんなことを発言したという確信を持っていない」と否定した。 件の発言はオフレコ懇談会の中で出たものだ。鉢呂氏は「記者さんがたくさんいたものだから誰に言ったのかも覚えていない」とした上で「聞くのが専門の記者さんだから…」と皮肉を込めている。 オフレコ懇は日本の記者クラブ特有のものだ。出席できるのは、クラブ詰の記者だけである。極端な話、記者全員が一致団結して大臣のコメントを捏造することさえ可能だ。本来オフレコのはずの、それも真偽の定かでない発言が表に出てきたのが不思議である。今回、経産省記者クラブが全社一致したのか。それを知ることはできないが、発言をめぐっ