―急性期病院における多施設研究― 日本の急性期病院における「価値の低い医療」の頻度や推移を大規模に調査した研究結果が、9月7日付でBMJ Openに掲載されましたのでお知らせします。価値の低い医療とは、患者さんに益を与えない(効果がない、もしくは害が上回る)医療サービスのことを指します。この研究は、宮脇敦士先生(東京大学)、徳田安春先生(群星沖縄臨床研修センター)、後藤励先生(慶應義塾大学)、小林廉毅先生(東京大学)との共同研究で行いました。 先進国における医療費は急速に増加しています。例えば、2019年の日本の保健医療に係る支出(国際的に比較可能な数値で、厚生労働省が発表する国民医療費に介護費や一部の自由診療・市販薬等の額を加えたもの)は0.6兆ドルでGDPの11.0%を占めており、OECDの平均(8.8%)を大きく上回ります。医療費の急激な増加に直面し、先進各国では、価値の高い医療シス