仙台市は17日、自宅療養せざるを得ない新型コロナウイルス感染者への生活支援策を発表した。買い物に出られないため、1週間分の食料品や日用品を無料配送する。経費589万円を一般会計補正予算案に計上し、12月3日招集の市議会12月定例会に提出する。 市によると、自宅療養者に届けるのは7500円相当の食料品、日用品の詰め合わせ。中身は検討中だが、レトルト食品やカップ麺、ティッシュ、トイレットペーパーなどを想定する。支給が必要かどうか意向を確かめて配送する。 育児や介護などの理由で自宅を離れられない陽性患者が対象。感染者が増え、宿泊療養施設への入所待機が長引いた患者にも届ける。原則は患者1人に1セットだが、療養期間に応じて追加する。配送は車両1台を借り上げて委託する。 今後、外国人の自宅療養者への対応など制度の詳細を詰め、補正予算案が可決され次第、運用を始める。 補正予算案には感染対策仕様車1台の購
「廃業した街中のホテルが20年も放置されている。景観を悪くし、放火される危険もあるのに、なぜそのままにしているのか」 仙台市の男性会社員(61)から「読者とともに 特別報道室」に疑問の声が届いた。建物が長年手付かずだった理由を探ると、意外な事情が見えてきた。 対象の建物は青葉区木町通2丁目の「ホテル木町」。JR仙台駅から北西約2キロのビル街の一角に立つ。7階建てで本来は白い壁が黒ずみ、ベランダの欄干のさびが目立つ。 はす向かいにある木町通小に長女(8)を通わせる薬剤師の女性(37)は「前を通るたびに怖くて娘が心配になる。夫には近づくなと言われている」と話す。 ホテル木町は1977年4月開業。109室あり、経営した会社が破産する99年1月まで営業した。 「ホテルと名が付くが実態は分譲マンション。各部屋に今も持ち主が存在する」。所有者の一人、片倉英則さん(57)=青葉区=が教えてくれた。 経営
台風19号の直撃を受けた12日、宮城県丸森町の販売員佐久間明美さん(54)は「障害のある息子を避難所に連れて行けない」と自宅にとどまり、土砂災害に遭った。緊急時に「周囲に迷惑が掛かる」とためらう保護者。台風被災地でも、ハンディのある人々の避難の難しさが浮き彫りになった。 天井と壁の隙間から青空が広がる。土砂をかき出す重機も見える。「何が正解だったのか」。佐久間さんが土砂でいっぱいになった1階の長女(21)の部屋でつぶやいた。 12日夜、両親と長女、中学3年の長男(15)と自宅にいた。雨音が強まる。テレビのアナウンサーが「命を守る行動を」と繰り返す。そのたびに「無理」と思った。自閉症の長男は自室から出るのを拒み、長女は手足が不自由。2階への避難もできない。 午後7時ごろ、「ドン」と自宅が揺れた。裏山側にある長女の部屋の窓が土砂で開かなくなった。命の危険を感じ、長女と母(79)を町役場に避難さ
営業担当に配られていた個人別実績表。上位の多くは課長や課長代理が占めている(画像の一部を加工しています) かんぽ生命保険の不正販売問題を巡り、上司と部下の2人で営業に赴く「同行募集」が不正の温床になっているとの声が内部から挙がっている。保険販売を受託する日本郵便の現役社員の男性は河北新報社の取材に「クレームがあれば部下だけが責任を取らされる不公平な構造」と証言。高齢者との契約時に家族同席を必要としないための方便にもなっていた。 東北の郵便局で勤務する社員によると、同行募集は渉外担当の課長や販売実績を積んだ「営業インストラクター」と呼ばれる東北支社の社員が若手と営業に向かう。若手は電話で約束を取り付けるだけで、顧客への説明は上司が行う。 上司は客に「相続税対策」と誘導したり「2年後に全額戻ってくる」などとうそを伝えたりする。実際の契約書は後日、若手が単独で再訪問してまとめることが多い。こうし
福島県産農産物の東南アジア向け輸出が増えている。マレーシアへのコメ輸出量は2018年、都道府県別で初めて全国トップに立った。ただ、東京電力福島第1原発事故前に主要な輸出先だった国や地域では輸入規制が続き、全面的な輸出再開が、引き続き重要な課題となっている。 マレーシアの首都クアラルンプールの日系デパートに2月中旬、県産の無洗米が積み上げられた。黒が基調の高級感ある2キロ入りの70袋は3日間で完売した。 店頭に立った県貿易促進協議会(福島市)の舩見(ふなみ)義克専門員は「予想以上。無洗米人気はすごい」と強調。高所得者層向けにPRを強化すれば、県産米はもっと売れるとみる。 同国に対する18年の福島県のコメ輸出量は126トンで、日本産米全体(203トン)の62.1%に上った。15年から県の担当者が卸売業者と交渉を重ね、17年8月に年100トンの輸出合意につなげていた。 マレーシアは13年3月、福
[はらだ・いおり]1946年、京都市生まれ。大阪外語大卒。広告代理店勤務後に独立。編集ライターなどを経て2005年に作家デビュー。主な著書に「明治維新という過ち」「官賊と幕臣たち」「大西郷という虚像」など。東京都在住。 東北は今年、戊辰戦争が勃発してから150年の節目を迎えている。各地を戦禍に巻き込んだ戦争はなぜ起きたのか。奥羽諸藩は本当に「賊軍」だったのか。東北近代の歩みにどのような影響を与えたのか。研究者らの視点を通し、改めて戊辰戦争を問い直す。(会津若松支局・跡部裕史、福島総局・大友庸一) ◎革命に大義はあったか(上)作家・原田伊織さん <「明治維新という過ち」などの著書で知られる作家の原田伊織さん(71)は、東北における戊辰戦争を「討幕戦争とは別物だった」と指摘する> ◎私怨を晴らす戦 いわゆる戊辰戦争を「討幕戦争」と位置付けるなら、会津戦争などは討幕とは無関係で性格が異なるという
新出生前診断の拡大/生まれる子選ばぬ社会に 日本産科婦人科学会が、臨床研究として行ってきた新出生前診断を一般診療で実施することを正式に決めた。染色体異常を理由にした命の選別につながる可能性があるとして、慎重な議論が求められたが、発達する医療技術を押しとどめるのはもはや困難だ。 新出生前診断は、流産のリスクもある羊水検査に比べ、採血だけで母体の負担が小さいのが利点。海外で開発、商品化された。検査を適切に運用するための遺伝カウンセリングの基礎資料を作成し、体制を整備するなどの臨床研究名目で、2013年4月に各地の大学病院など15医療機関で導入された。現在は89施設が認定されている。 認定施設の医師らの共同研究チームによると、17年9月までに5万1139人が検査を受け、陽性は933人。このうち781人が確定検査を受け、陽性確定は700人。9割超の654人が中絶、26人は妊娠を継続したという。 学
<仙台市いじめ再調査委員会>発言応酬で議事打ち切り 空中分解も 仙台市は17日、いじめ防止対策推進法に基づくいじめ問題再調査委員会の第6回会合を市役所で開いた。弁護士の村松敦子委員長と、精神科医で遺族推薦委員の野田正彰氏の間で激しいやりとりがあり、村松氏が「このメンバーでの審議継続は難しい」と議事を打ち切った。泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月に自殺した事案の再調査中に、委員会は空中分解寸前となった。 野田氏は1月20日の第5回会合で、市教委の第三者委員会が南中山中の事案に関する答申書をまとめた経緯を説明するため出席していた大越裕光教育長に「あなたたちが(男子生徒を)殺したんだよ」と発言した。 17日の会合で、村松氏が野田氏に「いじめ防止を目的とする本委員会にふさわしくない。相手を困惑させ、威嚇し、侮辱する発言は自重してほしい」と注意すると、野田氏は反発。進行を遮
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