東芝が農業に参入する話は10月21日号の時事深層で概略を伝えたが、実際の試作品が完成したので改めて取り組みを紹介したい。売上高約6兆円の東芝は情報・通信やエネルギーといった事業のイメージが強いが、畑違いの農業分野にも進出する。最初に話を聞いた時、とても意外感があるように思えた。 DNAがある規則通りに配列する特性をいかし、コメや牛などから取り出した遺伝子を左のDNAチップカードにいれたうえで右の検査装置に差し込む。そうすると、「コシヒカリ」や「黒毛和牛」といった品種の判別に加え、病気の有無を調べ出すことができる。コメならば300種類の見極めが可能になるという。 2000年頃からDNA事業を開始 東芝は1991年に電流を活用して遺伝子を調べる手法を発明し、2000年頃からDNA事業の開発を始めた。今まではバイオテロ対策やガンなどの判別に利用してきた。 農業に目を着けたのは、政府が将来的な成長