鉄鋼原料、建設資材販売などの高沢産業(長野市)が、書籍販売の平安堂(同)を5月をめどに買収することが14日、分かった。インターネット販売の増加などで書籍販売の環境が厳しさを増す中、平安堂が資金的な支援を要請していた。高沢産業は100%出資して平安堂を完全子会社化する方針。同社の直営とフランチャイズを合わせた県内外18店舗は維持し、約370人の従業員雇用も継続する。平安堂の名称は変更しない。 平安堂は1927(昭和2)年に飯田市内で創業。長野駅前の大型書店など、県内を中心に書店やレンタルビデオ店を経営する県内最大の書店チェーン。ピーク時はフランチャイズも含めて全国に200店以上を展開、1997年2月期の売上高は約220億円に上った。しかし、県外チェーン店の県内進出やインターネット販売の台頭、景気低迷などで書籍類の販売が低迷。2011年2月期の売上高は91億円余に減少し、店舗数も大幅に縮小し