新しい年号が「令和」と定まりました。 典拠の文脈を精読すると、〈権力者の横暴を許せないし、忘れることもできない〉という、おそらく政府関係者には思いも寄らなかったメッセージが読み解けてきます。この点について私見を述べたいと思います。 なお、この文章はある新聞に投稿したものですが、まだ採否が決定しない時点で本誌(編集部注・「短歌研究」)編集長國兼秀二氏にもお目にかけたところ、緊急掲載のご提案をいただいて寄稿するものです。 実は、別途これを読ませた友人からブログに全文転載したいとの申し出があり、本誌五月号が刊行されたらという条件で同意したのですが、友人はその五月号がもう出たものと早とちりしたらしく、四月三日の時点で全文掲載してしまいました。それを見たツイッターたちが次々に拡散した結果、巷間ではすでに相当の評判になっているようです。 あの文章は四月一日の晩に大急ぎで書いたもので、言い足りない点がい