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14年連続して3万人を超えていた日本の自殺者数が、平成24年は久しぶりに3万人を切る見込みだと警察庁は発表した。しかし、いまだ交通事故死者の7倍という多くの人が自ら死んでゆく。和歌山県白浜で、死のうとする人を保護する活動を15年続ける白浜バプテストキリスト教会の藤藪庸一牧師を、作家の山藤章一郎氏がたずね、リポートする。 * * * 「いまどちらにおられますか」 「三段壁の公衆電話です」 〈いのちの電話〉を受けた白浜バプテストキリスト教会の藤藪庸一牧師は、深夜でも駆けつける。 牧師はここに〈白浜レスキューネットワーク〉を置く。この15年間で約660人を保護した。 死にに来た人は、おしなべて、帰る家がない、おカネがない、仕事がない、家族がいない。思いとどまらせるだけでは不備である。〈保護〉とは、ふたたび社会復帰できるまでの〈生活〉をいう。 いまは、教会の長椅子をベッドに、隣りのアパートに、隣り
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