『ファウスト』第1部には「トゥーレの王」の他にあと三つグレートヒェンの歌う歌がある。一つは「糸を紡ぐグレートヒェン」だ。次は壁龕(ヘキガン)の中のマリア像に向かって罪を犯した苦しみを訴える歌、これにもシューベルトの曲があるが未完だ。最後は最終章「牢獄」の場面、子殺しの罪で死刑を待つ彼女が正気を失って口ずさむグリム童話ゆかりの不気味な歌だ。今回はその内、「糸を紡ぐグレートヒェン」と題する、シューベルトの歌曲第1作を取り上げる。まず、原詩とカタカナ読み、ぼくの訳を並べてみよう。 Gretchen am Spinnrade J.W.Goethe Meine Ruh’ ist hin, Mein Herz ist schwer; Ich finde sie nimmer Und nimmermehr. Wo ich ihn nicht hab’, Ist mir das Grab, Die ga
![『糸を紡ぐグレートヒェン』〜ゲーテの詩とシューベルトの曲 | 外国語・歌・詩・映画&DIY・地元学(船津建)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0545aa4c0dc94a2a47d8396fb675226708d1d101/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fimg-cdn.jg.jugem.jp%2Ff3d%2F2992569%2F20140908_363089.jpg)