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ブックマーク / www.shin-araragi.jp (2)

  • 短歌雑記帳|新アララギ

    しるけし、そのほか 海へだて引き合ふ島か風すさぶ午後をしるけし二つながらに    蒔田さくら子 「歌壇」三月号掲載のこの一首に注意したのは、「しるけし」という言葉が使われていたからである。この「しるけし」は、今は一般の国語辞典や古語辞典には、この形では出ていない。 戦前の大言海や戦後でも上代語辞典(昭42、上山林平)は、この「しるけし」を形容詞として取り上げ万葉集の「神名火の浅小竹原(あさしのはら)のうつくしみわが思ふ君が声のしるけく」(2774)を用例に挙げていた。しかし現在はこの「しるけく」を形容詞(とすれば連用形)とは見なさない。たとえば岩波古語辞典は「しるけく」のままを見出し語として「《著シのク語法》」はっきりしていること。顕著なこと。」として右の万葉歌を引く。つまり「しるし」の古い未然形の「しるけ」に「こと」を意味する「く」がついた形で、「はっきりしていること」の意であり形容詞で

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    hidex7777 2020/10/29
    “しるけし、そのほか”
  • 短歌雑記帳

    あざやけし・やすらふ(2) 「あざやか」は勿論辞書にある。これは万葉集には見えないが、平安朝の散文には多く出て来る。広辞苑に引く宇津保物語の「少将、麻のよそひあざやかにて対面し給へり」とあるのを見ると、今の我々の使うのと同じ意味と語感を持っていると察せられる。しかし、国歌大観には「あざやかに」という句が一つもないのは、昔から歌語にはならなかったものと見える。「あざやけし」ともなると、それこそ散文にも何も出て来ないのだろう。それで辞書に載らないのだ。だが、ノドカーノドケシ、サヤカーサヤケシ、ハルカーハルケシ、アキラカーアキラケシ、タヒラカータヒラケシという対応があるのだから、アザヤカーアザヤケシも成立してしかるべきだと思うのにそれは文献には記載がなかったのか、もともと発生しない言葉だったのか。 「あざやか」に近いものに「あざらか」があって、こちらはアザラカーアザラケシと対応する。これは魚肉な

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