大阪都構想の制度設計を進める大阪府、大阪市の法定協議会は1月31日、新設する特別区の区割り案を1つに絞り込みたいとする橋下徹市長の提案を退けた。橋下氏は辞職して出直し選挙に出馬するというが、何が問題になっているのか。 筆者は1月28日、大阪都構想をめぐる有識者ヒアリングで意見を述べた。そこでは、大阪では市営地下鉄だが、東京では都営地下鉄、大阪では市水道局だが、東京では都水道局、大阪では市立高校だが、東京は都立高校-と、身近な物事で大阪と東京に違いがあることなどを説明し、東京の特別区は、都と役割分担をしてうまく運営されていると話した。 NHKのニュースでは筆者の意見は全く報道されず、都構想に否定的な立場の甲南大学の高寄昇三名誉教授の意見だけが出ていた。「大阪市を特別区に再編すれば、防災などの政策を進める上で複数の区長の合意が必要になり、都知事と意見が対立すれば、府市統合で目指す行政の一元化は