東本京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日本最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです 26 「大 詰」 18 「それで米吉はんは墓へ行った、 そしたら社長の死体が墓で発見された。 上手い事話がまとまってますがな、歌舞伎の大詰めや」 龍蔵が、歌舞伎の舞台を楽しんでいる。 「歌舞伎やったら拍手するとこやけど、 夢が現実になりましたんやで。 夢に導かれて墓に行ったら、ほんまに墓で死んでる。 それも、口にタオルを押し当てて。 ワシは、どこまでが夢でどこまでがほんまか、 分からんようになりましたんや。 清吾の部屋に移した死体が、ドアポストに封筒を差し込んで、 墓へ歩いて行きましたんやで。 ワシは、社長に恨みを買うことはないし、 もし社長が殺されたんやったら、犯