東本京史　「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日本最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう！ 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… 戯（ざ）れ隈（くま）とは、 歌舞伎で、ふざけおどけて、役者の顔に施すくまどり（色どり）のこ とで、主に道化役に使われます。 例えば、「義経千本桜」では、眉や唇を蝙蝠（こうもり）の形で表現 した蝙蝠隈、他にも猿の顔を模した猿隈、 鯰の（なまず）のヒゲを表現した鯰隈、 朝顔づくしの隈取りなどがあります。 隈取りは赤系が主流で、陽性の滑稽な敵役です。 青や茶系の隈取りは、不気味な大悪人、妖怪専用です。 悪業を働く者が、戯れ隈を施せば、 世の中平和になる気がするのですが……。 この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「戯　れ　隈　（ざれくま）」　　２ 本村小百合は、親友の工藤幸男、君原誠が帰