東本京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日本最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「大 君」 18 「やっぱり警察は嫌いや、何にも知らんし親父が死んだんも知らん。 そんなワシが何で疑われるんや? ワシは何にも覚えてないし、どない答え言うんや。 ワシが左衛門で、親父が佐久衛門? それに何や、親父は殺された? 訳の解からんこと言うたらアカンわ。 あんたがナンボ警察でも、なんでワシが左衛門やと決めつけるんや。 ワシの生い立ちを解明して、納得できる証拠があったら認めるけど、 ただ口先だけで伝えられても、そんなん信用できるはずがないわ」 強気の答えを返す。 「そやから言うてますがな、 あんたの家から採取された指紋が、あんたと親父さん