東本京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日本最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「大 君」 24 「そんなん恍けてるんに決まってますがな、 ここまで追い詰めて逮捕できんかったら府警の大恥ですで。 女や思うて気を許してるんと違いますの?」 龍蔵がニヤニヤ笑いながら酒を注いでやった。 「アホな事言わんとってくれるか、ワシらは世の中から犯罪をなくすプロやで。 こんな婆さんに負けるわけにいかんけど、 なんせ任意やから強引な取り調べができんのや」 「情けないな、府警で追及できんのやったらワシが追及しますわ。 なにも偉ばって言うてるんと違いますで。 こんだけ殺人現場に近かった人間が、何にも知らん言うんは不自然ですやろ。 そのタエいう