東本京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日本最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… 身を高ぶる者は謗られ(非難され)、 身を低くする者は褒められる。(祝福される) この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」 4 「桃、よく聴くのじゃ、おまえは平尾家の相続人じゃ。 本来なら男が望ましいのだが、 今から話す事情が有って、 一人息子に家系を継がすわけにいかんのじゃ。 おまえが知ってるかどうかは解らんが、 おまえの母親は出産直後亡くなった、今の母親は後妻や。 その妻タネには連れ子があって、 真一と言う名でこの屋敷で生活してる。 『私には初耳で、 その真一さんはどの部屋に住んでるのか興味が湧きました』 真一は幼いころに顔に煮え湯を浴びて、 九死に一生を得た