哲学者 三木清の散文集『人生論ノート』の「幸福について」の章を引用し、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の登場人物が幸福であったかを説く。 自分が幸福であること 幸福は徳に反するものでなく、むしろ幸福そのものが徳である。もちろん、他人の幸福について考えねばならぬというのは正しい。しかし我々は我々の愛する者に対して、自分が幸福であることよりなお以上の善いことを為し得るであろうか。 自分が幸福である状態とは、幸福の根拠が自分にあるということである。言い換えるなら自律的な幸福のみが幸福として生き残る。他律的な幸福は幸福であり続けることが出来ない。 「我々の愛した美樹さやかはなぜ死んだ」 「少女だからさ……」 美樹さやかは愛するものの幸福を願ったが、彼に愛されたいという念願は果たされることがなく、彼女自身は不幸であった。 我々は我々の愛する者に対して、自分が幸福であることよりなお以上の善いことを為し
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