ここにある部族が存在して、その部族の人々は、「証明」という概念にわれわれとは少し違った意味合いを与えている、と仮定してみよう。すなわち、その部族の人々は、ある対象 c と c から連続する 99 個の対象との、どれもが述語 F を充たすことを『証明』可能なとき、c から連続するすべての対象 x に関して F(x) が成立することを『証明』できる(というか、前者それ自体が後者の『証明』である)、と考えるのである。通常の推論法則に加え、こうしたルールをも許す場合、例えば、1 と 1 から連続する 99 個の自然数とのそれぞれ(要するに 1~100)に関して、約数の個数が 13 以下となるのは『証明』可能である。それは、単に各 n の約数を列挙すれば示される。このことから、この部族の人々は、「“従って”、(1 から連続する)すべての自然数の約数の個数は 13 以下である」と結論付ける。 如上の