雪とは何かということですね。 雪は雨と違い、音も無く降り積もる。そして降り積もればあたりの音をまた吸収して、周辺は沈黙の世界になる。 これは雪のそういう性質を人間との関わりで描いた詩です。 太郎、次郎というのは特定の人間でない、ということを示す。つまり、初めにある人を、次の人を、というように解するといいと思います。 次々と雪が降り積もって行って、沈黙の世界を作り出していく。太郎も次郎も眠らされていく、つまり全てが眠らされるということ。 沈黙の世界になっていくことを「眠らせ」という言葉で表現しているんです。 だからこの詩を読むと、里が雪で覆われていく様が思い浮かぶ。里の人々の家全てに降り注ぎ、静かなしじまに沈んでいく。 また、眠るというのは日常的な死をも意味しますから。人の心がそこにない時間。つまり雪に覆われた里は人の気配をも沈ませていくという幻想的な感覚もあります。 さらに言えば、これを三