南アフリカ沖のザトウクジラ、マッコウクジラ、セミクジラは、クジラヒゲと脂肪を求める捕鯨者によって絶滅寸前まで追い込まれた。(PHOTOGRAPH BY STEVE BENJAMIN) 新たに発表された予備的なデータによると、現在、インド洋西部に生息するザトウクジラは3万頭以上にまで増えているという。この海域のザトウクジラの個体数は約2世紀にわたる捕鯨によって激減し、1970年代末には600頭未満になっていた。 南アフリカ、プレトリア大学哺乳類研究所のテクニカル・マネージャーで海洋生物学者のクリス・ウィルキンソン氏が率いるチームは、南アフリカ共和国東岸のケープビダル沖を通過する、あるザトウクジラ集団の数を数えた。ザトウクジラは、毎年、南極海域の餌場からモザンビーク付近の繁殖域に移動する。そして研究チームは、2018年の調査とそれ以前のデータに基づき、インド洋西部に3万頭以上のザトウクジラが生