確かに、事後法的な徴税権の行使は違法な公権力の行使として「法の支配」に反するするものでしょう。しかし、行政指導は「公権力の行使」ではなく、任意性を前提にしているものです。「国民が納得しない」つまり「社会通念に反する」と考える事態に既存の法令では対応できない場合に、行政として何もしないのはやはりまずいので行政指導があるのだと思います。そもそもそういう事態に対応するのが行政指導のレゾン・デートルの一つだと思います。法令に基づかずに権力行使(徴税権や刑罰権の行使など)を行うのとは次元が違う。問題にすべきは果たして実質的に強制性はなかったかどうかであり、コムスン側が任意に説得に応じていた場合は問題はないでしょう。(2007/06/27)