ソニーコンピュータサイエンス研究所の高安秀樹氏が書かれた昨日の経済教室「再考 金融危機の真因(下) 売り手責任の甘さが問題」は、読んでいて非常に違和感がある内容でした。 高安氏が書かれた、経済物理学の発見 は、非常に面白い本だと思うのですが、高安氏は、実際の金融界の話をどこまでご存知の上で、今回の経済教室を書かれたんでしょうか? (「オレの方が知ってるぞ」という意味ではなくて、素朴に「どうなんだろ?」という疑問であります。) 過去のデータの分析が悪かったのか? 冒頭部分で高安氏は、 現在の金融危機は科学的に予見されていた。なぜ警告に耳を貸すことができなかったのか、その問題の本質は、観測データに立脚して物事を考え、失敗の経験を未来にいかすという当たり前のことを徹底する体質が金融の世界に欠如していることにある。 とおっしゃっています。 一昨日のエントリでも考えましたが、問題の本質はそこではない