被食者・捕食者によって誘導されるエゾサンショウウオ幼生の形態変化を示す写真。(A)被食者であるオタマジャクシによって誘導される攻撃型の個体は捕食に有利なように頭部が発達する。(B)捕食者であるヤゴによって誘導される防御型の個体は、天敵から身を守るために外鰓と尻尾が発達する。(北海道大学の発表資料より) [写真拡大] 北海道大学の松波雅俊研究員らによる研究グループは、エゾサンショウウオの幼生が、環境に応じて柔軟に形態を変化させる際に起きる遺伝子の発現変化を明らかにした。 生物の中には、環境に応じてその形態を変化させる能力を持つものが存在する。北海道に生息するエゾサンショウウオの幼生は、捕食者であるヤゴと共存するときは尻尾と外鰓が発達した防御に特化した形態に、被食者であるオタマジャクシと共存するときは頭部が巨大化し捕食に有利な攻撃型の形態を示す。しかし、どのような遺伝子や分子機構がこの形態変化