2010年5月末にアイパッドが発売され電子書籍市場が拡大するとのマスコミの報道で出版業界は浮き足立っているが現状を冷静に考えてみたい。 電子書籍アプリはスマートフォン向けに限定されていて端末機・コンテンツも少なく比較が出来ない。日本語対応の統一したフォーマットも出来ていない。日本語のコンテンツを提供するにあたり、著作者の権利関係やデジタルデータの作成・配信手法・決済手法なども未だ検討中が多数を占める。 電子書籍新刊の原価計算をすると殆んど出版するたびに赤字となる。価格設定で売れ行きも変化し、消費者は出版社が考えている以上に価格については敏感である。マーケティングの能力の無い出版社は検討する必要に迫られる。 既刊本のデジタル化許諾権の確保をしても出版社がデジタル化するとは限らず、電子書籍化しても読者が購入しなければ出版社・著者に収入は無いことを認識したほうが良い。既刊本をデジタル化しても取次