がん患者の痛みを軽減する治療法には、薬物療法のほかに神経ブロックや放射線治療もある。それらを利用することで痛みが治まり、仕事や家事ができるようになったり、オピオイド鎮痛薬の量が減らせたりする人も少なくない。これらの治療法について、順天堂大学医学部附属順天堂医院麻酔科・ペインクリニック先任准教授の井関雅子氏、および千葉県がんセンター放射線治療部長の幡野和男氏に聞いた。 「神経ブロックを行うことで、非常に質の高い除痛効果が得られ、日常生活が普通に送れるようになる場合があります」。国立がん研究センター緩和医療科・精神腫瘍科科長の的場元弘氏はそう指摘する。 神経ブロックとは、局所麻酔薬か神経破壊薬を注射するか、あるいは、高周波熱凝固という熱を加えて、痛みで過剰に興奮した神経を一時的に遮断、変性、破壊する治療法。椎間板ヘルニアや頸椎症などの治療法としてもよく知られるが、がんによる痛みや手術後の痛みな