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書評と科学に関するhikohicoのブックマーク (3)

  • 結果から原因を探る数学『逆問題の考え方』

    わたしが知ってる数学は、“半分”でしかなかった。もう半分は、生々しく、荒々しい。同時に、数学の「正しさ」について強制的に考えさせられる。 わたしの知ってる数学は、「原因→結果」に従う。すなわち、原因を既知として法則に沿って計算する。万有引力から塩水の濃度まで、自然界を則るルールの理解や予測に役立つ。書によると、これは「順問題」と呼ぶ。 一方で、「結果→原因」を求める数学がある。現象の原因を観測結果から、逆のパスを通して決定・推定する問題だ。これが「逆問題」だ。逆問題を意識しないとき、「順問題」は、単に「問題」と呼ばれる。わたしが数学の全てだと信じてきた問題の大半は、これだったのだ。 たとえば、放射性物質で汚染された水を入れる貯水槽の問題がある。 【順問題】 ある貯水槽に放射性物質で汚染された水が流れ込み、混ぜ合わされ、流れ出ている。ある日、貯水槽の放射性物質濃度は、1Lあたり24.0ベ

    結果から原因を探る数学『逆問題の考え方』
  • [書評]これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義(ウォルタ-・ル-ウィン): 極東ブログ

    強い通り雨が過ぎて晴天の空が現れたとき、私は小高い場所か、空を広げる場所を探す。太陽を一瞥してその反対の空を見上げる。運が良ければ、そこに虹がある。大空を渡す虹がきれいに見えているなら、円弧の外側に目を向け、もう一つの虹、薄い副虹を探す。虹はしばしば二重になっているのだ。主虹と副虹。そして、その二つの虹の色の順序が逆になっていることを確かめ、すこしうっとりとした気持ちになる。 なぜ、主虹と副虹と色の順序が違うのか? その前になぜ虹が現れるのだろうか。その説明は比較的簡単な物理学で説明できる。もし私の横に同じ虹を見ている人がいて、そのことに疑問を持つなら説明したい。なぜ? 私は虹が好きだし、その仕組みも好きだ。物理学が好きな少年だった。 そうした思いがそのまま書「これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義」(参照)にある。主虹と副虹もきちんと実験を含めて説明されている。そうだ、

  • 「数学ガール ガロア理論」書評 物語追い、高みから景色を見る|好書好日

    数学ガール ガロア理論 [著]結城浩 夏休みの青春物語、と言っていいだろう。数学好きの中高生が「ガロア理論」を理解しようと一段ずつ階段を上る姿を描くのだから。 20歳で夭逝(ようせい)した天才ガロアは決闘で命を落とす直前まで論文を推敲(すいこう)していたという。5次以上の方程式では「解の公式」が求められないことは知られていたが、ガロアはさらに進んで方程式が代数的に解ける必要十分条件を明らかにした。その道具立てが後に花開き「理論」に至る。物語を追えば数学的な高みからの景色を垣間見る所まで連れていってもらえる。 主人公たちが夏休みの課題として取り組む「あみだくじ」の数学的な解釈から始まり、二次方程式の解の公式など中学数学を経て、理論の基礎概念「体」「群」に繋(つな)ぐ絶妙な筆さばきは数学小説を見事に調和させている。 「ガロアは21歳になれなかった」と少女は憤る。その時、普遍の数学世界と、一度

    「数学ガール ガロア理論」書評 物語追い、高みから景色を見る|好書好日
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