この三か月で読み溜めたなろう作品を紹介し批評し読み替えていくのが「なろう批評」シリーズの目的。シリーズ通して「短評」できていないことに気付き、タイトルを「短評」から「批評」へと変更した。今回のテーマは「ゲーム」「VR」「掲示板」である。 序:なろうにおけるゲーム的リアリズムとジェンダー論 そして開幕のベルも聞かずに劇は終わった 掲示板形式とVRゲーム:ブレファンの登場 ブレファンリスペクトの作品群/その他 付録:なろうへの序(いつか書いた放棄稿) 序:なろうにおけるゲーム的リアリズムとジェンダー論 「ゲーム的リアリズム」は東浩紀がゼロ年代のオタク文化から抽出した世界の解釈方法であり(『ゲーム的リアリズムの誕生』参照)、これまでも「なろう批評」シリーズで何回か言及した。 しかし実際のところ、なろうにおける「ゲーム的リアリズム」は東の指摘したそれと様相を異にする。なろうの共同体が望んだテクスト