2010年01月16日 三島由紀夫 9歳の時に書いた作文・・・ (7) カテゴリ:ダラダラ日記 三島由紀夫、9歳の時に書いた作文をご覧下さい。 「大内先生を想ふ」 ヂリヂリとベルがなつた。今度は図画の時間だ。しかし今日の大内先生のお顔が元気がなくて青い。 どうなさッたのか? とみんなは心配してゐた。おこゑも低い。僕は、変だ変だと思つてゐた。その次の図画の時間は大内先生はお休みになつた。御病気だといふことだ。ぼくは早くお治りになればいゝと思つた。 まつてゐた、たのしい夏休みがきた。けれどそれは之までの中で一番悲しい夏休みであつた。 七月二十六日お母さまは僕に黒わくのついたはがきを見せて下さつた。それには大内先生のお亡くなりになつた事が書いてあつた。むねをつかれる思ひで午後三時御焼香にいつた。さうごんな香りがする。そして正面には大内先生のがくがあり、それに黒いリボンがかけてあつた。 あゝ大内先
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