慶應義塾大学政策・メディア研究科の大学院生。 専門は顧客情報の解析と地域活性化政策。 ライターもやっています。詳しくはAboutを御覧下さい。 シャンタル・ムフ 『政治的なるものの再興』 序論・1章レジメ ■ 概要 □シャンタル・ムフは、担当箇所において、左派の戦略の限界を指摘し、既存の諸条件のもとで本質主義に陥らずにどのように多元主義的民主主義を実現できるか、ということを主題としている。まず、序論では思想的現状を確認したうえで、差異から出発するポストモダンの理論の有用性について言及している。次に1章では、ラディカル・デモクラシーの思想的背景について、主に旧来の左派の理論との相違点と保守主義的な理論との近似性の観点から説明している。 ■ 序論 闘争的多元主義にむけて □ 思想における冷戦の終焉 自由民主主義の勝利は、多元主義的民主主義への移行を期待させたが、実際には、「保守」