年約400億円にもなる政府広報費をめぐる取り引きに、ゼネコン並みの下請け構造によって「他人のふんどしで相撲をとる」中抜きの構図があることが、情報開示請求によって分かった。2010年11月、全国72紙の朝刊に掲載された税金の還付にまつわる政府広告では、約1億円の予算が投じられたが、その広告枠を仲介したのは、電通(一部は読売エージェンシー、日本経済社)。ところが、その版下製作は、この3社とは別に、毎日新聞グループの「毎日広告社」が担当していた。3社は広告業の柱である広告制作を実施せず、仲介料だけ中抜き。しかもその額は推定1500万円となり、全体(400億円)にあてはめれば約60億円にもなる。前民主党政権は政府広報費の事業仕分けで一部の経費だけ縮小したが、「丸投げ」で税金を中抜きするビジネスモデルそのものには切り込まなかった。政府広報による税金無駄遣いのカラクリに迫る。(朝日・読売・日経への政府