理系人材こそ簿記を学ぶべき 会社設立で簿記が必要に -電子工学の研究者である岡部先生が、なぜ簿記を学んだのですか。 研究者になるまで、簿記を勉強する機会はありませんでした。ただ、学会で会計報告の資料をよく目にしました。その時、「貸借対照表で、資本は、なぜ資産ではなく負債の側に記載されるのか?」といった素朴な疑問を持ちました。当時の私のように、会計の資料の読み方がわからなくて困っている方は、大勢いらっしゃるのではないでしょうか。特に、理系の人間は理詰めで考える人が多いので、ある部分で「なぜそうなるのか」が納得できないと、次の段階に進みづらいのです。 その後、勤務していた東京大学先端科学技術研究センターが、知財を提供する会社などを設立しました。当時、大学は株式を保有できなかったので、私をはじめ教員が株主になりました。自ら出資して会社を設立し、財務諸表を理解する必要が生じたので、簿記を学んだので