気象庁が事前に「接近とともに世界が変わる」と警告した台風15号は令和元年2019年、9月8日深夜に関東地方に接近、上陸した。 当日、私は自宅のベランダから窓越しに外を見て、その凄まじさに恐怖におののいた。翌朝になると、表の大木が何本も折れ道は散乱し、閉め忘れた小窓から吹き込んだ風でバスルームは驚くほど汚れていた。それでも、260万人が住む千葉県に比べれば大したことはなかった。停電や断水が数週間にもわたって続き多くの人が被災したからだ。 その惨状を知ったのは3日後だった。 台風が過ぎ去った直後のテレビや新聞のメディアは、人気の小泉進次郎議員が大臣に登用されたと組閣のニュース一色で、ほとんど台風15号の被害については報道しなかった。だから、私が千葉県の被害について知ったのはメディアが報道を伝え始めた3日も経った後だったのだ。 いや、正確にいうと、SNSでは被害直後から多くの人が大変なことになっ