決して明るいとは言えない家庭だった。よくテレビや映画でみるアットホームな家庭。あれは今で言う惑星移住といった理想であり、誰かが作り上げた演出の幻想だと思っていたくらいだった。 中高生のころ、お笑いに夢中だった。漫才、漫談、落語、コント、と呼ばれるエンターテイメントを見まくった。テレビを見たり、DVDを借りて深夜までみたり、ステージにいったり。お金が許す限りそこに費やした。時間など惜しくなかった。見ている時間は純粋に楽しかったから。だって一緒にいる人を楽しませたかったから、自分が楽しくないと相手を楽しませることなどできやしない。 高校も卒業に近くなってくると今度は人とコミュニケーションをとる機会が格段に増えてきていた。そうなると自分だけが楽しいだけでは飽き足らず、一緒にいる人も楽しませた、笑わせたいと考えるようになってきていた。それは一緒にお笑いエンターテイメントをみることもそうだけど、それ