維持管理に手間がかかる天然芝の代用で、人工芝を併用した“ハイブリッド芝”の開発に、東京都練馬区が乗り出している。 低コストな上、緑被率の向上にもつながるとして、同区は今年度から開発費600万円を投入、「ねり芝」の愛称も決まった。同区では都市緑化の切り札になればと期待しているが、「緑化事業の水増しにもつながりかねない」と専門家から疑問視する声も上がっている。 ◆背景に宅地開発 ねり芝で使用する人工芝は丈が10センチほどと長く、通常より芝の間隔が広いのが特徴。この隙間に砂を深さ約8センチ敷き詰め、その上に天然芝の種をまく。芝生施工の専門企業によると、踏みつけなどに強いことから、海外のサッカー場などで施工例はあるが、緑化目的で導入したケースは聞いたことがないという。 同区が、ねり芝の導入に前向きなのは、区内で宅地開発などが進んでいることが背景にある。現在の同区の緑被率は25%。東京23区内では1