photo by SalFalko 「自分の好きなことなら、いくらでも語っていられる!」という人がいる。趣味でも、食べ物でも、なんでも。自分が気に入ったものを語ろうとすると、次々と「好き」があふれてきて、もう止まらなくなるような人。そんな人を、僕はすごいと思う。 「どうして『好き』なの?」 「好きなものがない」人は、なかなかいない。たとえ無趣味だとしても、食べ物とか、友達とか、場所とか、何かしらの「好き」は誰もが持っているはず。よほどの何かに絶望して無気力にならないかぎり、人間にとっての「好き」は、その人の原動力となる大切な感情だ。 一方で、その「好き」を伝えることは意外と難しい。「好きなものはなに?」と聞かれて答えることはできても、「どうしてそれが好きなの?」と問われると、咄嗟に答えられないことがある。「なんとなく」「雰囲気が良い」「好きだから」などなど、曖昧な返答をしてしまった経験があ