夕食後、家族でケーキを食べる。 明かりを消しローソクに火をつけ大合唱。 プレゼントの話で盛り上がりながら、パクパクむしゃむしゃケーキを頬張る。 ちょっと小ぶりのケーキは、3口ほどでペロッと俺の胃袋に。 ふと横を見ると、3歳の息子がお気に入りのイチゴとサンタの砂糖細工を最後に食べようとしているようで、ケーキの外堀から徐々に崩していた。 3歳の息子は、他の息子たちと一緒に楽しそうに盛り上がっている。 俺はとっさに、3歳の息子の皿と、空っぽの自分の皿をすり替えた。 盛り上がりが一段落し、3歳の息子は皿に目を移す。 何故か空っぽの皿。 目の前の出来事が信じられないようで、オロオロしだす3歳の息子。 狐につままれたような顔とはまさにこのこと。 それもそのはず。大切にしていた宝物が一瞬で目の前から消えたのだから。 そして3歳の息子は一言こういった。 「もうご馳走様じゃん・・」 泣き出しそうな3歳の息子