プロジェクト・グーテンベルク:電子テクストの始まり 1.インターネット前史 アメリカ国防総省の小さな部局、高等研究計画局(ARPA)。その中の情報処理技術室に1965年、ロバート・テイラーという男がやってくる。当時のコンピュータ界はこの技術室から資金を提供されて、それぞれの場所でそれぞれのシステムで独自に研究が行われていた。たとえば主なものをあげてみると、大学ではMIT、ハーバード、スタンフォード、カリフォルニア(バークレー&ロサンゼルス)、カーネギー・メロン、イリノイ、ユタ。研究所ではスタンフォード、リンカーン、ランド。企業ではボルト・バーネック&ニューマン。 66年、室長となったテイラーは、このばらばらの研究拠点をどうにかひとつにつなぎ、よりよい発展が望めないかと考えていた。このネットワークの構想こそ、インターネットの前身アーパネットである。69年、カリフォルニア州で4つのコンピュータ