2月27日に佐々木俊尚さんによる著書、『家めしこそ、最高のごちそうである。』が発売されます。稀代のジャーナリストが語る、家庭料理の極意。HONZではその発売に先駆け、いち早く書籍の内容を、全12回の連載形式でお届けいたします。「家めし」の美味しさを追求していったら、答えはシンプルなものへと辿り着いたー この連載のメッセージは、たいへんシンプルです。ひとことで言えば、次のようなこと。 値段の高いスーツを着て食べに行くフレンチレストランみたいな派手な「美食」ではなく、かといって散らかった家でジャージを着てむさぼり食うコンビニ弁当や、「鍋の素」でつくった人工的な味の鍋のごとき「ファスト食」でもない。さらにいえば、やたらと無農薬有機野菜やオーガニックにこだわるような「自然食」派でもない。 その外側に、もっと別の素晴らしい食文化が可能なのでは、というメッセージです。 しっくりなじむ洗いざらしの綿のパ