昨今の機械学習ブームの中、IT業界を中心とするエンジニアの方々から、「機械学習に必要な数学をもう一度しっかりと勉強したい」、そんな声を耳にすることが増えました。本書は、そのような読者を念頭におき、理工系の大学1、2年生が学ぶレベルの解析学(微積分)を基礎から解説した書籍です。大学生向けの教科書であれば、すでに多数の書籍がありますが、本書の特徴は、「定義と定理をもとに、厳密に展開される議論をとにかく丁寧に説明する」という点にあります。数式の変形についても、途中の計算をできるだけ省略せずに記載して、議論の展開を見失うことがないようにと配慮しました。大学生のころに勉強した、あの「厳密な数学」の世界をもう一度、がっつりと堪能していただけることでしょう。 「機械学習に必要な数学」というと、数学をただの道具と割り切って、公式の使い方、あるいは、数式が表わす意味だけを直感的に理解できれば十分と考える方も