東日本大震災で、宮城県石巻市の石巻漁港も壊滅的な被害を受けた。国内有数の同漁港には鮮魚のほか、水産物の加工施設も集積。同市の経済・雇用を支える基幹産業の危機に、関係者は「これから生きていくのも大変」と途方に暮れている。 同市水産課によると、石巻漁港の2009年度の取扱数量は約11万5000トンで、東北地方では八戸漁港(青森県八戸市)に次ぐ。冷凍も含め100社以上の加工会社が集まっているのが特徴で、4500人以上の雇用を生んでいる。これらが壊滅したという。 同漁港に入ると、網目のように整備された道路は一部しか機能せず、いまだに立ち入る人はまばら。重油と魚の臭いが立ち込め、ウミネコが津波で破壊された加工施設からあふれた魚を目当てに群がっていた。 歩いて様子を見に来た水産加工会社勤務の斉藤和成さん(26)は「会社に船が2隻も刺さり、骨組みしか残っていない」と嘆く。約60人の従業員のうち、連