中国の有人宇宙船「神舟9号」が6月16日午後7時37分(日本時間)、甘粛省の酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、無事成功した。神舟9号は今後、宇宙に20日間滞在し、その間に地球を周回している無人宇宙実験機『天宮1号』へのドッキングを行う予定だ。 宇宙開発大国を目指す中国にとっては、すでに4度目となった今回の有人宇宙飛行だが、神舟9号には2人の男性飛行士とともに同国初の女性飛行士が乗務。さらに彼女は船外活動も担当しており、人民たちの注目を集めている。 「使命、責任感そして宇宙事業への愛が、あらゆる困難を乗り越える原動力となっています」 発射を前にした記者会見で、笑顔でこう語った彼女の名前は劉洋。世界でも56人目の女性宇宙飛行士となる。1978年生まれの33歳で、人民解放軍の空軍将校を務める、飛行歴11年のエリートパイロットだ。 河南省の貧しい共働き労働者夫婦の家庭で一人っ子として育った彼女