東日本大震災で被災した大槌町漁業協同組合(岩手県大槌町)が盛岡地裁に破産申請していたことが9日、分かった。申請は5日付けで、負債総額は15億5千万円。震災で大きな損害を受け、事業の継続ができなくなった。 民間信用調査会社の東京商工リサーチによると、大槌町漁協はサケの定置網漁を中心に事業を展開。昭和56年3月期には約52億円の売り上げがあったが、近年は安価なサケ輸入の増加で競争が激化し、売り上げは10億円台に低下していた。 追い打ちをかけるように、震災で事務所や市場設備が被災し、6億4329万円の損害額を計上した。 多額の負債を抱えたままでは補助金や融資を受けることが難しくなったことから、今年1月に新しい組合を設立する方針を固めていたが、一部債権者の理解を得られず破産申請することになった。 大槌町漁協は昭和46年に発足し、資本金は約2億4000万円。従業員は約30人で、組合員は約80