演奏する速さを示す速度記号には、数字によるメトロノーム記号と言葉による速度標語があります。 曲の最初に音符と数字で示されているのがメトロノーム記号です。 オランダのウィンケルが発明したとされるメトロノーム。それまでは、Andante(アンダンテ=歩くような速さで)といった「速度標語」で表していた曲のテンポが、絶対的な数値で表せるようになりました。ところが、ブラームスやベートーベンといった巨匠たちの中には、この「絶対的な数値化」に、少なからず抵抗を持った作曲家もいたようです。ブラームスは自作には決してメトロノーム記号をつけなかったといわれています。はっきりと正確なテンポを表す時には便利な記号なのですが・・・。 私達の生活のリズム・テンポは、時代とともに速くなってきているようです。「歩くような速さで」がどのくらいの速さなのか?「ゆっくりと、緩慢に」がどのくらいゆったりしたテンポなのか?人によっ