球界最年長投手“ハマの番長”こと、三浦大輔が25年にも及ぶ現役生活に幕を下ろした。横浜スタジアムに集まった満員のファンから惜しみない大歓声を受けた9月29日の引退登板から2日後の10月1日、三浦は胸に去来する思いを静かに、そして噛みしめるよう語ってくれた。寂しくもあるが幸せだった野球人生――晩節の潔さにもまた三浦らしい美学が溢れていた。 後編はこちら取材・文/石塚隆 写真/榎本壯三 もう練習をしなくてもいいという現実(C)Baseball Crix「本当に幸せな野球人生でしたね」 三浦大輔はそう言うと、目線を遠くに向け満足気な表情を見せた。9月29日の引退試合の2日後、横浜スタジアムに三浦の姿はあった。一昨日の感動的な引退セレモニーの余韻がスタジアムに漂っているなか、三浦は“投手コーチ”として社会人チームと練習試合をする横浜DeNAベイスターズに帯同していた。 「いつものようにスタジアムに