顧客もムダに気づいてしまった 紙の通帳やATMの在り方に疑問を抱いているのはなにも銀行側だけではない。奇しくも新型コロナウイルスの感染拡大は、利用する顧客側の意識も変えることとなった。 「コロナ禍の前までは、引っ越して“住所変更”が必要になったり、定期預金を解約するために、銀行の窓口に並ぶことが当たり前だと思っていました。でも3密回避が叫ばれるなか、それでも銀行に行列を作る人たちの姿を見て違和感を覚えてしまって……。 ATMにしても、誰がベタベタ触ったか分からないタッチパネルに触れるのってよく考えたら怖いですよね。その時、これって『本当に並ばないとできないことなのかな?』とふと思ってしまったんです」 こう話すのは、都内の飲食店で働く31歳の野崎愛美さん(仮名)。職業柄、感染対策には人一倍気を使わなくてはならず、次第に銀行やATMに足を運ぶ機会が減っていったという。 そんな彼女は、昨年12月