一番最初に僕がプログラミングをしてみたいと思ったのはコンピュータを手にする前からだったと思う。 あるとき小学校高学年の頃に読んでいた子供向けの雑誌の巻末に、巡回セールスマン問題のような懸賞問題が載っていて、最高得点を出した読者に景品が当たるなどというものをみて、それを手でひたすら試行していた。それを見た親が「これはコンピュータでバーッと計算するんじゃないか」みたいなことを言った。そのとき、そうか、こういうのはコンピュータを使えば手でやらなくていいんだ、機械的にパターンを試していくだけなんだからな、と思ったのだった。 その懸賞には相当時間を費やしたのだけど、結局景品はもらえなかった。当然だれかがプログラムを書いて、僕の手で求めた解よりよい解を一瞬で見つけてしまったんだろう(しかし僕は今でも、人間がやるかコンピュータでやるか微妙なくらいの問題をひたすら手でやるのはなぜかかなり好きではある)。