はじめに 前回は、マルチコア分割(並列化)手法を読者の皆さんと進化させていくというテーマで、「繰り返し処理におけるデータの並列化手法」を紹介しました。今回は、処理単位で並列化を検討することで高速化を図る「処理単位並列化手法」を紹介します。 本連載の第1回でもマルチコア環境並列化手法の分類を簡単に説明しましたが、下表の赤枠内が、処理単位並列化に関する部分であり、今回説明対象となる部分です。 処理単位並列化における概要 ここでは、処理単位並列化の概要について説明します。図1にありますように、まずは、処理単位における分割ポイントを決定します。次に、分割により発生した依存関係の検討、タスク並列化などの処理の並列化、同期タイミングの検討、そして最後にデータ依存性が除去できるものに関しては、データ依存性の除去を行います。これらの処理を繰り返し行うことによって、機能(処理)の並列化を行います。 処理単位