作家・吉川英治(1892~1962年)の屋敷を活用した「吉川英治記念館」(東京都青梅市柚木町)が、財政上の理由で運営が難しくなったとして、青梅市に土地ごと寄付したいと申し出ていることがわかった。 浜中啓一市長が19日の定例記者会見で明らかにした。寄付を受けた場合の市財政への影響などはすでに調査しており、浜中市長は「寄付を受ける方向だ」と語った。 同記念館は、吉川が1944年3月~53年8月に過ごした屋敷で、「宮本武蔵」「新書太閤記」「新・平家物語」の自筆原稿や初版本、愛用したペンなど約2万点を収蔵。300点を入れ替えながら展示している。公益財団法人「吉川英治国民文化振興会」が運営し、1977年に開館した。 梅の名所・吉野梅郷地区の西端にあることから、開館当初、観梅の時期には1日平均約1600人が訪れるほど人気で、青梅市を代表する観光スポットになった。 しかし、入館者数は92年の約17万人を