いきなり起業したりベンチャーで頭角をあらわすのはハードルが高い、かといって社畜に なって飼い殺されるのもまっぴらだという人にとって、やはり普通の日本企業に入って そこでキャリアを磨いておくのがもっとも現実的なキャリアデザインの方法だろう。 本書はそのための非常に優れたテキストとなっている。 「バカじゃない、でもやる気が出ない人へ」という帯のコピーは秀逸。 基本的に仕事というのは千差万別であり、さらに日本の場合、会社ごとにガラパゴス化 してしまっているため、共通のセオリーのようなものを理論化するのは難しい。 本書の優れた点は、いくつものケースを分析することで、ある程度の一般化に成功して いる点だろう。すごく大雑把にいえば、 「動機とスキルの洗い出しをした上で、そのコアな部分にキャリアを寄せていく」 ということになる。これがケースごとに解説されているため、仕事内容まではイメージ できなくても、